バッテリー性能で重要な「-cca-」とは何か

 

バッテリー性能で重要な「 CCA 」とは何か

CCA (Cold Cranking Ampere)とは、コールド・クランキング・アンペアの略で、バッテリー規格「性能基準値」の表し方です。
低温でエンジンを始動させるバッテリーの能力を定義するためにバッテリー業界で使用される基準となります。
これは主にアメリカやヨーロッパで採用されている方法ですが、始動時の性能を計測する方法としては、現在は日本でもCCAを [性能表示] として使用する様になってきました。

CCAの具体的なテスト方法は、温度 [摂氏-18℃] [華氏-0℉] の環境において、SOC100%からCC放電(定電流放電)で放電した場合、
30秒目の電圧が7.2V以上を保てる限界の電流値がCCA値となります。
バッテリーがどれだけ電気を出力する能力、放電電流(A)アンペアーがあるかを判断する指標です。

何故アメリカやヨーロッパでCCAを計測する方法が行われているのかということですが、
自動車のバッテリーの主な目的は、(セルモーターを回しエンジンを始動する)
つまりバッテリーはエンジンを始動する際に最も電気を消費するので 、バッテリーはエンジンを掛ける事がもっとも重要な目的であり、少ない電流を長時間流すというのではなく、いかに短時間に大量の電流を流すというのがバッテリーには最も重要な性能と考えている為です。
CCAとはバッテリーの冷間時の始動性能を測定する方法なので、寒い時期にて始動に必要な電流をどのくらい流せる力があるのかという基準なのです。
「バッテリーの性能 = 始動性 CCA値」ということになります。

例えば、CCAが400Aのバッテリーとは、マイナス18℃で 400CCA の定電流放電を30秒間行っても、
7.2V以上の端子電圧を維持できるバッテリーであるという意味です。

★CCA値が大きいほど始動性能が高い(エンジンがかかりやすい)ことを示します。

◆ まめ知識 1◆
自動車用バッテリーは、機能や性能が全く違う2種類があります。
Deep Cycle Battery(ディープサイクルバッテリー)と Sterter Battery(スターターバッテリー)です。
キャンピングカーなど家電品用のサブバッテリーやフォークリフトなどの電動車向けバッテリーのように一旦 満充電状態から、ほぼ空の状態になるまで使い切る 深い充放電を繰り返すものを Deep Cycle Battery(ディープサイクルバッテリー)と呼び、
自動車のセルモータを回すのが主な目的で、浅い充放電を繰り返すもの Sterter Battery(スターターバッテリー)と呼びます。

構造的には、Deep Cycle Batteryの方が充電時の電極への負荷が高い為、頑丈に作られており、その結果価格も高く重量が重くなる傾向にあります。
キャンピングカーやフォークリフトのように長時間使用されるバッテリーには容量の大きなもの (持続力=アワー) が要求され、
自動車のセルを回すなどの始動性を重視する場合は、始動能力の高いもの (瞬発力=パワー) が要求されることになります。
その為、自動車などのバッテリーを選ぶ場合は、始動時における瞬発力(パワー)CCA値が重要だと言う事が理解出来ます。

◆ まめ知識 2◆
日本国内のバッテリー能力を測る方法(基準)
日本国内のバッテリーの能力を調べる方法はロードテスターによる方法が主流となっております。
これはテストしたいバッテリーに負荷(大容量の電流)を与え放電させた時の V(ボルテージ)を計測する方法で有ります。
しかしバッテリーは、自動車が走行し続け充電状態が続いた場合は、バッテリー表面に電気の帯(表面電荷)が残ります。
その電気の帯のみを獲り、良好と判断してしまい 弱っているバッテリーでも一時的に正常な状態と錯覚した判断をする場合があります。
これにより まだ大丈夫と判断を下したのに、バッテリーが上がってしまったと言う事があります。
これでは、何を根拠に大丈夫だと判断が出来るでしょうか。
その為、コンダクタンスによる [CCA値] による計測が、現在最も正確な性能計測方法であると考えられております。

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